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Rivers and Harbors 河川・砂防・港湾分野

事例紹介:海岸設計

海岸設計

海岸はマリンスポーツなどの「遊び場」の顔や干潟・タイドプールなどの「自然環境」としての顔、また南海トラフ巨大地震による津波・地震災害から人命を守るための「防災」の顔など、いろいろな側面を持っています。 私たちは、これらの「遊び場」「自然環境」「防災」をキーワードに、施設の調査・計画・設計に取り組んでいます。
・海岸保全基本計画、ビーチ計画
・海岸堤防の改良・補修設計
・維持管理計画、長寿命化計画
・耐震・耐津波性能照査
・津波シミュレーション

水辺に市民の憩いの場を兼ねた海岸保全施設の実現をめざします

堺旧港 水門及び親水性護岸整備 [大阪府]
都会型海岸特有の多様なニーズに配慮しながら、堺旧港全域の護岸の計画・設計を行いました。堺旧港の歴史的・文化的な価値を重視し、海岸保全施設として護岸の配置検討・構造設計を実施しています。水辺空間の利用を考えプレジャーボート係留施設の機能を備えた堤防形式を提案しました。水辺の憩いの場として、階段式の親水性護岸を採用しました。

レクリエーションや生物に触れ合える水辺空間の実現をめざします

せんなん里海公園整備 [大阪府]
泉州海岸に砂浜・礫浜を計画し、ぴちぴちビーチ、ときめきビーチと名付けられた人工海岸の設計を行いました。特に礫浜には、生物観察の場として人工タイドプールの設置を提案しました。
田辺漁港海岸Xスポーツ [和歌山県]
田辺漁港扇ヶ浜は古くから「白砂青松」の海岸といわれ、隣接するTANABE扇ヶ浜ビーチとともに、市民に親しまれてきました。ここにスポーツと融合した公園整備を目的として、Xスポーツ、3on3の施設設計を行いました。

有効な維持管理により現有資産の効率的な活用をめざします

堤防護岸 補修設計【和歌山県】
経年劣化で変状が生じている堤防護岸を対象に、現地点検調査を踏まえて施設健全度の評価判定を行い、その結果をもとに補修対策の立案設計を行いました。既設の石積み式構造では耐震安定性が不足するとともに背後土砂の吸出し空洞化も懸念されました。そのため、将来の施設利用及び構造安全性を考慮した対策としてコンクリート増し打ち工法を提案しました。
野田川水門 長寿命化計画 [兵庫県]
防潮水門の設備の老朽化に伴う維持管理費の増大に対し、コスト縮減、平準化及び長寿命化を図るため、効率的で効果的な整備更新計画を立案しました。まずは管理者へのヒアリング、点検整備記録等の収集整理、現地の目視点検により実態を把握したうえで、機器の健全度、機能の適合性及び経済性等を総合的に評価し、保全の基本方針、日常的な維持管理、 点検整備について提案するとともに長寿命化計画を策定しました。また長期保全計画として、ライフサイクルを考慮した機器・部品等の更新計画、予算の平準化計画、長期的な点検計画を提案しました。
排水機場  長寿命化計画 [和歌山県]
和歌山県が管理する河川ポンプ場(12施設)、排水機場(7施設)を対象に、計画的な維持管理と適切な維持補修による長寿命化を図る目的で、今後30年間の維持管理計画の策定を行いました。 施設調査を実施して劣化状況を把握、概略診断評価表を作成したうえで補修の優先順位を設定、複数の補修シナリオ(更新、一般的補修、長寿命化補修)による今後30年間のライフサイクルコストを算出しました。また、今後施設管理者が実施する点検の項目・手法・頻度を検討し、管理者用点検マニュアルを作成しました。
防潮樋門 補修・新設設計 [国交省四日市港湾]
津松坂港の4つの樋門について、コンクリートと鉄筋の調査を行い、安全性を照査したうえで管更生工法などの補修補強設計を行いました。1ヵ所の樋門については、劣化状況がひどく補強が困難であったため、撤去・新設を提案しました。

災害に強い安全で安心な社会資本整備の実現を目指します

阪南海岸 耐震・耐津波照査 [大阪府]
現況断面に対して、南海・東南海地震動・L1津波の検討を行い、必要に応じて対策断面を検討するとともに、対策断面に対してL2地震である南海トラフ巨大地震動でのFLIP動的変形解析を行いました。合わせてL2津波来襲時の耐津波照査を行い、粘り強い構造の対策断面を提案しました。
防潮堤耐震照査 [大阪市]
大阪市大正区の防潮堤に対して耐震補強を行うため、比較設計と細部設計を行いました。 SHAKEによる地震応答解析及び液状化判定を行うとともに、地表面最大加速度を算出して設計震度を設定しました。比較設計では、背後地盤高により区間を分割し、区間ごとに自立式鋼管矢板案、新設棚式案及び既設防潮堤活用案を比較検討しました。経済性等から新設棚式案を採用し、採用断面については細部設計を行うとともにFLIPによる動的解析で耐震照査を行いました。

担当技術者から一言

海岸の業務では、防潮堤の整備(設計、耐震検討、維持管理)を行っています。防潮堤とは、一般には馴染みの薄い言葉ですが、台風などによる大波や高潮、津波を防ぐ堤防や水門等の構造物のこと。一部でも途切れると効果を発揮できないことから「防潮ライン」とも呼ばれ、連続して整備されます。港で見かけるコンクリートの壁がそれですが、道路で寸断される場合は鋼製の門扉を設置して連続性を確保します。コンクリート壁以外では、道路盛土を利用することもあり、東日本大震災では仙台東部道路の盛土が防潮堤の役割を果たし、海側と内陸側で被害に大きな差をもたらしました。目立たなく地味ですが重要構造物ですので、注意して見てもらえたら整備に携わる者として幸せです。

主な業務実績

自然を保護し、人の安全を確保する海岸施設づくり

泉州海岸小島地区 侵食対策等基本検討 [大阪府]
浸食が進行して危険な状況になっている海岸崖について、現況を調査し危険性を把握したうえで対策工法の立案を行いました。 現況調査では、目視により亀裂の走向や傾斜、岩石の種類と風化の度合い、転石や浮石の位置や規模等を調査して調査票にまとめ、地質的不安定要因を整理したうえで、落石の危険性や落石が生じた場合の影響範囲などを考慮して危険度のランク付けを行いました。 複数の対策工法について波浪の影響や景観にも配慮して検討し、待ち受け式擁壁の機能を備えた根固め護岸を採用することを提案しました。

漁港・海岸施設の耐震・耐津波に対する検討

妻鹿漁港 地震・津波防災対策検討業務 [兵庫県]
漁港の海岸保全施設(堤防、胸壁、水門、陸閘等)に対して、南海トラフ巨大地震に対する耐震・耐津波検討を行い、整備方針を立案しました。耐震検討では、L1地震に対する安定計算・液状化判定とL2地震に対するFLIPを用いた動的変形照査を行いました。耐津波検討では、チャート式耐震診断の沈下量を加味して津波シミュレーションを実施し、浸水範囲の把握と津波に対する安定検討を実施しました。整備方針の立案では、人命・財産の保全及び漁港内の静穏度の確保を念頭において整備の優先順位付けを行いました。

近い将来予想される巨大地震に備える検討

東川・堀切川 水門耐震点検業務 [兵庫県]
2基の水門に対し、「河川構造物の耐震性能照査指針・同解説」に基づいて静的耐震性能照査を行いました。照査における目標耐震性能は、L1地震動に対しては水門の健全性を損なわない性能を確保するものとして震度法により照査しました。L2地震動に対しては地震後も水門の機能を保持するものとし、プッシュオーバー解析を用いた保有水平耐力法により照査しました。

その他業務実績

  • 業務名
  • 発注者
  • 概要
業務名
港区築港3丁目堤防工事に伴う設計業務
発注者
大阪市
概要

堤防の耐震改修設計として、液状化の判定結果に基づいた地盤改良工法の検討及び要求性能を満足する堤防構造の対策案を抽出し、経済性・施工性など比較検討を行い最適案を選定した。

業務名
泉州海岸貝掛地区高潮対策実施設計委託
発注者
大阪府
概要

堤防の高潮対策として、周辺の利用状況及び既設の断面形状・配筋状況を調査把握した上で、対策案を立案し経済性・施工性・維持管理性の比較を行い最適案を決定した。

業務名
田辺漁港海岸漁港海岸整備(津波緊急)設計業務
発注者
和歌山県
概要

会津川右岸堤防の耐震・耐津波対策として、耐震性能を満足する断面を動的解析より設定し、経済性及び施工性を踏まえて比較選定を行った。河川及び背後民家の状況を考慮した施工計画を提案した。

業務名
神戸港海岸保全施設定期点検業務(その2)
発注者
神戸市
概要

兵庫運河及び新川運河の海岸保全施設に対して陸上目視、潜水目視など点検調査を行い点検記録にとりまとめた。また、点検結果に基づき施設の健全度評価を行った。

業務名
福良港他港湾局海岸保全施設長寿命化計画策定業務
発注者
兵庫県
概要

淡路沿岸の3海岸について、予防保全の考え方を導入した劣化予測を行うことで、効率的・計画的に修繕等を実施しライフサイクルコストの縮減と平準化を目的とする長寿命化計画の策定を行った。

業務名
播磨沿岸海岸保全基本計画変更業務
発注者
兵庫県
概要

播磨沿岸海岸の災害からの防護、適正な利用及び環境保全を計画的に進めるため、新たに高潮対策10箇年計画を反映させた海岸保全基本計画(変更)を策定した。